2009年09月01日

「陰謀」を扱う注意点と指針


一般に認知されている考え方(常識)に異論を唱える陰謀論・陰謀観・陰謀説なども含めると、世の中には「陰謀」と名のつくものが無数にある。

過去の事例が「陰謀」の対象である場合は仮説と検証により、妥当性や論理的プローシビリティーをある程度確保できるが、現在水面下で進行しているとされる極秘プロジェクトなどがリークされ「陰謀」の烙印を押されている場合は、十分な注意を払う必要がある。


もちろん中には非常に的を得ているものもあり、情報を共有することで問題意識を明確にすることができるが、同時に扇動的なメッセージとしての側面をもち他者を不当に貶める惧れを孕んでいることも多く、未然に回避するための抑止力をもたらすどころか、誤った方向へ導く意図が働いていることさえある。

また、悪意がないにせよ、極秘プロジェクトの善悪やその目的の如何を知りえるだけの、十分な情報をもたないまま、「陰謀」とみなすケースも少なくない。これが一人歩きをはじめると、たとえ「社会貢献的な事業」であっても、特定の集団にとって破滅的なイメージを伴う場合、その事業は「陰謀」という「濡れ衣」を着せられ不利益を被り、ひいては社会全体に悪影響をもたらす可能性が高くなる。陰謀とみなされる対象は、規模の大小や性質の如何をとわず、多岐に渡るが、「意図は何なのか」「対立軸(問題の本質)はどこにあるのか」「論理の飛躍や情報の誤りがないか」という具合によく吟味せねばならない。

「陰謀」の烙印を押すか否かの基準は、「良識とされる理念」や「宗教上の教義」など実に曖昧で判然としておらず、一方的だ。自由民主主義を標榜するアメリカ合衆国においては、その建国の精神にそぐわない密談は悪であり愛国者としてのパフォーマンスが昂じてもはや中傷とでもいうべき「陰謀論」がまかり通っており、忌々しきことに的を得た論考が人目に触れる機会を奪っている。

人はクロノセントリズム(自時代中心主義)思想から終末思想に陥りやすいのだが、破滅を想起させる「陰謀」は、その性質から終末観と結びつきやすく、宗教上の教義によって悪魔の計画と断罪される。それはエスノセントリズム(自民族中心主義)でもある。乱暴な言い方をすれば、光と闇、善と悪、どちらを好むかは人によって異なり、ある者にとっての神は他者にとっては悪魔であることもある。自由であるがゆえに不自由を感じる人もあれば不自由によって自由を見出す者もある。豊かさがゆえに満たされず破壊的になったり、破壊により創造の豊かさをはじめて知ることもあるだろう。

価値観に隔たりがあるとき他者のあらゆる活動は陰謀になりうる。活動の規模が大きければ大きいほど価値観に与える影響の度合いも増し、問題視される。

このような価値観の軋轢が「陰謀」を生むのは間違いないが、多くの場合、「陰謀」とみなすことは、価値観の押し売りであり間接的に人の価値判断に変容を迫っている。この点では、批判対象である「陰謀」と同じ穴のムジナであり、意義をみとめつつも距離を置かねばならないだろう。(陰謀とみなし権利を主張することを否定するものではない。)

私は「陰謀」の存在を確認し、それらと向き合い続ける必要性を痛感しているが、その「陰謀」が特定の誰かの「意志」によるものであると帰結することを躊躇している。陰謀の規模の大小を問わず、その存在の確認とは別に、実体となるアクターに対して性質として善悪を論じることは軽々にすべきではないと考えているためである。むしろ、各々の「陰謀」の背後に蠢く支配的な何かを特定することは、重要ではあるが、しかし、これらは末端であり現象にすぎないのではないかとも思う。

もっといえば「全人類の異なる価値観に基づく様々な活動のダイナミズムの総和」が「意志」そのものであるとか、その意志は人間の知覚の源泉であり時空を超え5次元に横たわっているものだとか、この「意志」を人々は神とか悪魔とか叡智とか呼んだとか、虚数世界の相当事象と重なって6次元に神が理論上は具現するとか。

そういう話にするのは、正直どうかと思うが、フロイトあたりの言説を取り入れることでかなり土台はしっかりしたものが出来るので機会があれば書いてみたい。というか、これくらいの幅をもって臨んだほうが楽しいんじゃないか・・・という話。

posted by 精神の貴族 at 19:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 陰謀と真実の狭間で | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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